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年金の受取時期を考えよう

 人生100年時代になり、

「これからの老後の生活に不安がある。年金の繰り下げについて教えて欲しい」

という相談がちょくちょくあります。

 

 例えば、就労等で他に定期的な収入があり「年金」は余裕資金・・・こんな人は、繰下げの具体的な手続きを聞きに来られるし、夫や知人から勧められたけれど、「自分は気が進まない」ということで相談にこられる場合もあります。

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 ともあれ大切なのは、ご本人にとって「年金の繰り下げ」が納得できる選択であるかどうかです。これからの生活について、①どのような夢や希望をお持ちなのか、②日常生活を困難なく続けていける見通しがあるのかどうか等々一つずつ確認しながら話をうかがっていくと、年金の受け取り時期を繰り下げることがベストな選択でないと気づくこともあります。 

 

 

 自分名義の口座に定期的に振り込まれる「お金」を持ったことがなかった人たちにとっては、「年金」の受け取りは特別です。たとえ数万円であったとしても、家族に気兼ねなく自分の意志を投影できる「お金」を手に入れたことを意味するからです。

  

 「子どもの手も離れたし、温泉旅行に出かけましょう!」というようなお誘いがかかるかもしれないし、孫に可愛い衣服を買って着せてあげたい!と思うかもしれません。 そんな時こそ、自分の口座に振り込まれた「年金」の威力が発揮されます。楽しい妄想に心躍らせ、心身ともに健康で周囲の束縛なしに動ける時にこそ、自分の裁量で使える「年金」の存在は絶大です。

 

 もちろん、人生100年時代にあって、今は将来の不安を軽減させるために働いて年金は受け取り時期を繰り下げようと考えるなら、それもそれで「繰り下げ」は納得の選択となるでしょう。

 

 ナイトミュージアムに行った時の写真です。楽しかったわぁ!

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年金の繰下げが正解かどうかは、ずっと後になって解ることですし、ご本人にしか判断できないことです。

 
 ただ、年金を本来(満65歳)より早く(60歳から64歳)に「繰上げ」て受け取る場合と違い、「繰下げ」の場合は、将来申し出を撤回できるというところが安心です。

 撤回時期が66歳以降であれば、

 ①申し出の翌月分から、繰り下げた月数の増額率で計算された年金をその後ずっと生きている限り受け取ることができるし、

 

 ②まとまったお金が必要であれば、本来65歳から受け取れた年金を撤回時期の分までまとめて受取り、65歳から受け取りを開始したのと同じ計算の年金を生涯にわたって受け取ることもできます。

 

 「年金」は、生きている限り自分名義の口座に定期的に振り込まれる大切な「お金」です。

いつから受け取りを開始するのか、じっくり考えて納得できる選択をしましょうね。